2025年12月6日(土)
コミュニケーションガイド
建設現場で使えるOARS(動機づけ面接)の実践ガイド
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【完全版】建設現場で使えるOARS(動機づけ面接)の実践ガイド
― 上司と部下の双方に効く“人が動くコミュニケーション”とは ―
建設業界では、人材確保・育成、安全管理、働き方改革など、多くの“人に関わる課題”が指摘されています。
技術や経験だけでは解決できない問題が増えるなか、コミュニケーションの質を上げることは現場改善の大きな鍵です。
この記事では上司・部下の双方が使える、OARS(動機づけ面接)の実践法を会話例つきで徹底解説します。
OARSとは?
OARS は相手の内側のやる気や意欲を引き出すためのコミュニケーション技法です。
O:Open Questions(開かれた質問)
A:Affirmation(是認・承認)
R:Reflective Listening(反射的傾聴)
S:Summary(要約)
建設現場で OARS を使うと、若手の成長促進、安全意識向上、離職防止に役立ちます。
【第1章】上司 → 部下で使う OARS
― 安心して話せる場をつくり、自発的な行動を引き出す ―
若手は叱責を恐れて本音を隠しがちです。上司がOARSを使うことでミスの早期発見・成長の加速につながります。
■シナリオ1:ミスが続いて自信を失っている部下
部下「最近ミスが多くて…向いてないのかと不安です」
① O:開かれた質問
上司「どんな時にミスが起きやすいと感じる?」
② R:反射的傾聴
部下「焦ってるときです…」
上司「焦りがあると落ち着けなくなるんだね。」
③ A:承認
上司「それでも振り返っている姿勢は大事だよ。そこは信頼してる。」
④ S:要約+次の一歩
上司「焦りが原因だね。明日から手順確認の時間を少し取ってみよう。」
■シナリオ2:仕事量が多くてパンクしそうな若手
① O「どの作業が特に負担?」
② R「段取りと作業が重なるときついんだね。」
③ A「遅れず進めようとしている姿勢は頼もしいよ。」
④ S「段取りが負担だね。一部振るよう調整するよ。」
■シナリオ3:先輩との人間関係の悩み
① O「どんな言い方が特にしんどい?」
② R「言われ方で落ち込むんだね。」
③ A「気持ちを言ってくれてありがとう。」
④ S「必要なら俺からも話すよ。一緒に改善しよう。」
【第2章】部下 → 上司で使う OARS
― 言いにくいことを安全に伝える技術 ―
部下が OARS を使うと、角が立たず、建設的に意見を伝えられます。
■シナリオ1:段取り改善を提案したい
① O「段取りについて相談してもよろしいですか?」
② R「安全が最優先ということですね。」
③ A「安全を考えて指示していただき感謝しています。」
④ S「手順③を事前準備で改善できる案を試したいです。」
■シナリオ2:注意の仕方がきつく感じた
① O「先ほどの場面について伺ってもよろしいですか?」
② R「急いで注意してくださったということですね。」
③ A「危険時にすぐ声をかけていただけて助かります。」
④ S「焦って判断が鈍るため、余裕ある時は少しゆっくり言っていただけると助かります。」
■シナリオ3:仕事量がキャパを超えている
① O「仕事量について相談したいことがあります。」
② R「期待して任せてくださっているのですね。」
③ A「任せていただけるのはありがたいです。」
④ S「Aを優先し、BかCを一部調整できれば助かります。」
【第3章】OARSで現場がどう変わるか
ミス報告が早くなる
離職率が下がる
安全意識が高まる
若手が自分で考えて動けるようになる
【まとめ】OARSは“現場の空気を変える技術”
OARSは誰でも今日から使えるコミュニケーションの技法です。
上司・部下の双方が活用することで、現場の心理的安全性が高まり、トラブルや事故も減っていきます。