平田 京子
折れない心の作り方
2022年3月3日(木)

こんにちは。
本日はひな祭り。
google検索のバナーが、イラストレーターどいかやさんの絵になっている!
どいかやさんのイラストの特徴は色鉛筆。優しくてほっこりします。
絵本もかいていらっしゃいます。

さて、ひな祭りにちなんで、最近はまっている漫画「ハコヅメ」への愛を語ります。

(画像はコミックシーモアさんHPよりお借りしました)

昨年ドラマ化もされ、ご存じの方も多いかと。
(私はこの漫画の世界観をこよなく愛しているので、よほどの事情がないかぎり、ドラマは
見ないでおこうと思っています。大好きな俳優さんたちがいっぱい出ていますが、敢えて。)

辞表を隠し持っている新米おまわりさん、川合が主人公。
黒い噂のある先輩が川合のもとに配属されたことから物語がスタート。
川合は天然、やる気もゆるゆるですがナゾの自己肯定感を持ち合わせたおかっぱ少女。
川合のペアとして配属された藤部長は、とっても優秀で美しいのに同僚の男性陣からは
ひそかにゴリラと呼ばている、鋼のメンタルを持つ女性。
この奇跡のデコボコペアが、いろんな事件に立ち会いながらお互い成長していく物語です。

この作品の面白さは、二人の掛け合いの妙。
川合がめんどくさそうなことに逃げ腰になれば、首根っこ捕まえてがっつり向き直させる藤部長。
モラハラ、セクハラ、モロモロなんのその。
二人の間に芽生えるいびつな絆がなんとも美しい。

そして隠し難い厳しい労働環境に、ゴリゴリの男社会に、
なんとか対処していかなければいけない女性たち。
たくましく、したたかに生き抜いていく姿がユーモアたっぷりに描かれています。

労働環境の古臭さ、ブラックさには正直閉口してしまいますが、
その中でもなんとか生き抜いてやる!って、そう思ってくれる女性がいるのは、
とてもとてもありがたいこと。

従来、警察モノといえば、漫画にしろドラマにしろ、やる気と正義感ににあふれた
熱血タイプの方がほどんど。(あ、でも、中には両津勘吉さんとか、いますね)
そしておおかた、大変な事件が起こりドラマティックに解決していくもの。
かつ上層部と壮大に戦ったり。

しかしこちらの作品は「誰も見たことのない警察漫画!」というキャッチコピーのとおり、
ブラックな実情含め警察官として働く人々の気持ちをこんなに赤裸々に、
かつチマチマと描いた作品は初めてでしょう。

この漫画の作者、泰三子さんは、なんと元警察官。
警察官として10年務めたのち、防犯の知識を広めたり警察官の採用を増やしたりするためには
「漫画が一番伝わりやすいと思ったから」という理由で漫画家に転身されたという、
びっくりなキャリアをお持ちの方です。
そんな秦さんだからこそ描けた漫画なのですね。

まっすぐ理不尽に立ち向かうのではなく、グチグチ文句言いながら、フニャフニャと
やり過ごしていくのも過酷な環境の中で生き抜く手段の一つかもしれません。
折れない心の作り方を垣間見た気分です。