足立 愛子
シーリングよもやま話
2020年10月22日(木)

外壁塗装工事でシーリングが多く使われているのが窯業系サイディングです。

窯業系サイディングは日本で一番多く使用されている外壁材です。

シェアは約80%と言われています。

この窯業系サイディングは455×3030の規格のサイディング板を張っていくため、どうしてもつなぎ目(「目地」と呼びます)が出来てしまいます。

近年のサイディング材ではこうした目地が出ないよう工夫された商品もありますが、

多くのサイディング材ではメーカーや規格によりますが多かれ少なかれ目地ができます。

この10ミリ程度の目地から水が浸入しないようにするために大切なものが「シーリング」です。

サッシ廻りなど、水の浸入の恐れのある部分には、「シーリング」が施工されていますが、半固形とでもいうべきでしょうか、

ゴムのような柔らかい状態で、サイディング材の伸縮に追従して雨水の浸入を長期にわたり防ぎます。

ただし、外壁材同様永久的な製品ではないため、年数が経つとひび割れや破断などの劣化が見られるようになります。

なので外壁塗装工事の際には目地部分のシーリングは撤去を行い、新しいシーリングを充填する「打ち替え」を行うことをお薦めします。

シーリングは打設幅に対して必要な厚みが決められています。

メーカーに寄りますが10mm幅に対して最低でも5mm以上の厚みが必要です。

言い換えれば5mm以上の厚みを確保できるように打設箇所の調整をしましょうね、ということ。

なのでサッシ廻りは撤去を行わず、5mm以上の厚みを取って充填・均しを行う「増し打ち」で可能なことがほとんどです。

外壁塗装の際は目地シーリングの「打ち替え」とサッシ廻りの「増し打ち」を確認するようにしましょう。

シーリング材はシリコーンシーリングやウレタンシーリングなど種類が様々ありますが、塗料と相性の良いのは「変性シリコンシーリング」です。

話は飛びますが塗装後数年で「ブリード現象」という現象が起こることがあります。

「ブリード現象」とはシーリング材に含まれる可塑剤(かそざい)という成分が塗料の表面ににじみ出る現象のことです。

この可塑剤は油のようなベタついた成分のため、雨などで流れ落ちることもなく、ホコリ等を吸着して外壁が汚れます。

こうした「ブリード現象」を防ぐためにノンブリードタイプのシーリング材を使用することが大切です。

 

ちなみにシーリングとコーキングですが

シーリング=sealing=密閉する

コーキング=caulking=詰め物をする

と英語から考えると意味は異なりますが、工事においては単なる言い方の違いで同じものを指しています。

もう一つちなみに天井のシーリングライトのシーリングはceiling=天井の意味です。

 

まだまだ話は尽きませんがこの辺で。