サイディングのメンテナンス方法

2018年7月7日(土)

前回はサイディングの劣化症状についてお話ししました。

劣化しているけど「どうしたらいいの?」の疑問にお答えし、メンテナンス方法についてお話しします。

 

前回にお話しした通り、サイディングの劣化は防水性の低下となります。

防水性を上げるため、各種の方法があります。

1.塗装を行う

1番お値打ちにできるのが、塗装を行い劣化した外壁を保護する方法です。

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チョーキングが起きているだけのお宅、クラックはあるがごくごく細かなヘアークラックであるというお宅では、塗装によるメンテナンスで十分です。

サイディングの色柄をそこないたくない場合には透明の塗料を塗るクリアー塗装をお薦めします。

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クリアー塗装はサイディングの状態によっては塗装できないため、プロの診断を受けてください。

レンガ調や、タイル調など、柄物のサイディングは「多色サイディング」といい、1枚の板に何色もの色が使用されています。

「多色」の色をそのまま活かせるのがクリアー塗装です。

これに対し通常の塗装を行うと多色を塗りつぶし1色だけの仕上がりになります。

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これを良しとするか否かは個々の判断ですが、「せっかくのデザインが1色の仕上がりではさみしい」と思われる方にはまた別の方法もあります。

レンガ調サイディングの凹部分と凸部分で色を変える「多色塗り」という方法です。

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これなら、新たなレンガ調サイディングを作ることが可能です。

 

2.クラック補修を行う

見過ごせない、クラックは補修が必要です。

シーリングで補修する方法、注入材をひび割れに流し入れ固める方法などがありますが、

通常のの住宅ではシーリング補修が一般的です。

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表面に凹凸のある仕上げの場合、補修の上に塗装を行ってもテクスチャーの違いから補修跡が判ってしまいます。

既存がリシン吹きで塗装を行う場合は、同様の下吹きを行うなどして、テクスチャーを近づけるようにするとクラック補修跡が判りにくくなりますが、このあたりの仕事はプロにお任せした方が良いでしょう。

 

3.貼り替えを行う

サイディングが層間剥離を起こしている場合には、貼り替えをお薦めします。

部分的に貼り替えが可能であれば、部分張り替えを行いましょう。

しかしサイディング材は現状施工されているものと全く同じものはまずないと思ってください。

毎年新しいデザインが出てきて古いものは淘汰されていますし、同じ材料があったとしても何年も紫外線や風雨にさらされた外壁材と新品の外壁材が同じ風合いにはなりません。

ですから建物のデザイン的に上手く貼り分けると良いでしょう。

例えば、ベランダの突出部分だけとか、幕板の下部だけ、建物の1面だけといった部分に、まったく別のサイディングを貼りデザイン性を向上させるのです。

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全体的に傷んでいたり、何度も塗装して次の塗装は難しい場合などは全体的に貼り替えを行う方法もあります。

コストはかかりますが、新築同様の外観になります。

 

4.全体にカバー工法で外壁をリニューアルする

全体的に傷んでいる場合にはカバー工法という方法もあります。

現状の外壁をそのままにして、その上に新たな外壁を施工する方法です。

サイディング材や、板金材などで外壁全体を覆ってしまうので、貼り替えと同様に新築のような外観になります。

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メンテナンス方法は建物の劣化の状況により、様々なメンテナンス方法があることがお分かりいただけたでしょうか?

DIY程度で済むものは良いですが、判断に困る劣化状態の方はプロに相談しメンテナンス計画を立ててみてはいかがでしょうか?