シーリングについて

2018年7月14日(土)

今回は建物のの防水に重要な役割を果たしているシーリングについてお話しします。

 

1.シーリングとは

「シーリング」と似た言葉で「コーキング」という言葉もあります。

コーキングの方が聞きなれている方も多いかと思います。

シーリングは目地部分や隙間に充填し成形したゴム状の材料の事です。

最初はペースト状ですが、乾燥・硬化し形状を保ちます。

対しコーキングはシーリングの中でも、形の定まらない硬化しないものです。

厳密な区別はできますが、実際には同意義に捉えられています。

シーリングはキッチンや浴室廻り、外壁の目部分に使用されていますが、ここでは外壁のシーリングに絞ってお話をしていきます。

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シーリングは外壁工事において欠かせないものです。

ALCの外壁では板の間には必ずシーリングを打設しますし、サイディングボードに関しても目地部分に防水のためシーリングが打設されています。

建物によっては、目地を作らず端部を実(さね)にし、つなぎ目から水が浸入しないような作りになっているものもありますが、

サッシ周りや入り隅部分など、ほとんどのお宅にはシーリング部分はあると思って良いでしょう。

そして新築時に現場塗装を行っていないサイディングの場合には、シーリングは「化粧打ち」と言われ、塗装で保護されていない状態です。

紫外線に直接さらされているため、外壁よりも早い段階で傷んできます。

シーリングの劣化は、破断、硬化収縮、剥離などがおき、見た目にもよくわかります。

 

2.シーリングの種類

一口にシーリングと言っても、主剤によって特徴や用途も異なります。

ホームセンターに行っても多くの種類があるため、基本を知っておくとDIYの際にも便利です。

(1)シリコン系

ガラスなどの無機質なものとの密着が高いため、キッチンや浴室、ガラス、瓦などの補修に用いられます。

ただし、可塑剤と呼ばれる油のようなものが浮いてくるため、塗装をすることができないので注意が必要です。

外壁の目地補修には使用しないよう注意しましょう。

 

(2)変成シリコン

(1)のシリコンとは異なり、可塑剤の浮きが少なく塗装可能なシーリングです。

ただし(1)のシリコンに比べ耐久性に落ちる素材です。

 

(3)アクリル系

湿った場所にも使用でき便利ですが、耐久性に乏しくリフォームには不向きです。

 

(4)ウレタン系

耐久性が高いのが特徴です。

紫外線に弱く外回りには不向きですが、塗装で保護する場合には、変成シリコンよりもお勧めです。

 

※ノンブリードタイプのシーリング

可塑剤を多く含むシーリングでは塗装が出来なかったり、変色、汚れの付着といった現象が発生します。

この変色をブリードと言いますが、改良を加えブリード現象が起こりにくいシーリングがあります。

外壁の塗装の場合にはこのノンブリードタイプのシーリングを選ぶと良いでしょう。

 

3.外壁シーリングのメンテナンス

シーリングのメンテナンスは大きく分け2つあります。

(1)打替え

古いシーリングをカッター等で切り取り、撤去してしまってから再度シーリングを打設する方法です。

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主に目地部分のシーリングで行います。

紫外線の当たりにくい北面や軒のすぐ下では、まだシーリングの柔軟性が残っていることもありますが、全面の打ち替えをお薦めします。

特に劣化している南面外壁、ベランダのあるお宅ではベランダの壁のシーリングに合わせ、メンテナンスのタイミングを計ると良いかと思います。

 

(2)増し打ち

現状のシーリングをそのままに、その上に大きく打設する方法です。

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主にサッシ周りや入り隅部分の、切り取りが難しい部分に行います。

入隅部分に行う場合はその断面の形状から三角打ちとも言います。

 

シーリングの特徴、メンテナンスの基礎をご理解いただけましたでしょうか?

外壁塗装を行う前にはシーリングのメンテナンスを行いましょう!

また、塗り替えの際の予備知識としてシーリング押さえておきましょう。