足立 愛子
仮想と現実のはざまで
2022年7月15日(金)

メタバースはご存じでしょうか。

最近よく見耳にすると思います。

コンピュータやネットワークの中に構築された3次元の仮想空間のことです。

バーチャル空間というと分かりやすいでしょうか。

日本では2021年以降に参入したバーチャル商業空間を特にメタバースと呼ぶそうです。

その仮想空間の中で、自分を(理想の自分を)投影したアバターを操作し、制作・販売・購買を行い、

さらにはアバター同士のコミュニケーションも行われ、もう一つの現実世界となると言われています。

メタバース世界の土地が高騰していると聞きますし、あの東京ガールズコレクションも今年メタバースで開催されました。

まだまだ進化中のメタバースで、いろんな可能性を秘めているんです。

仮想空間のお話で、私も雲をつかむようなふわふわとした理解でこれを書いているので、わかりにくくてすみません。

 

それでも話は進めてしまいます。

この仮想空間=メタバースへ隈研吾氏が参入するというニュースがありました。

サイバーエージェント社がバーチャルの建築物や空間デザインの研究・企画・制作を行う専門組織「Metaverse Architecture Lab」(メタバースアーキテクチャラボ)を設立したんです。

隈研吾氏ははこのラボの顧問として参加されます。

ラボでは簡易テンプレートで構築できるバーチャル店舗や実在する街並みや実店舗の空間・建築物を制作したり、小売企業の販促に生かせるバーチャルな商業空間を研究。

メタバース空間だからこそできる建築コンセプト設計、コンテンツ企画やユーザー体験の設計などにも取り組むそうです。

隈研吾氏は「リアルな建築は、周辺の環境に負荷を与えたり、多くの資源を消費したりと、ある意味で悪さをしてきたと言える。

バーチャル空間であれば、それらを乗り越えた『わるさをしない』新しい建築ができるかもしれない。

制限のない空間だからこそ実現できる建築の可能性を探りたい」とコメントされています。

 

確かにメタバースなら木を切り倒して柱や外装材を大量に作る必要も、鉄を加工して梁を作ることも、コンクリートを固める必要もありません。

また、構造計算や建築基準法に縛られた常識的建築を逸脱しても、地震や火災の心配はありません。

現実世界の実験的建築をメタバース内で行えるし、現実には無い空間を楽しむことができそうです。

 

AbemaTVやAmebaブログサービス、ネットゲームなどを手掛けるサイバーエージェント社と、

オリンピックの新国立競技場の設計を手掛けた日本を代表するリアル建築家の隈研吾氏とコラボ。

今後に期待したいです。