ベテランにこそ必要な、素直な心
2026年10月3日(土)
2026年10月3日(土)

少し前に、うちのベテラン社員の一人が、こんなことを言っていました。
「50歳も超えて最近は叱ってくれる人がいなくなって、 時折、自分のことが心配になる…」
年齢を重ね、経験を積み、役職が上がっていくほど、
自分に意見を言ってくれる人は少なくなっていくという話…。
だからこそ、
「自分は本当に正しい方向へ進んでいるのだろうか」
「知らないうちに考え方が固くなっていないだろうか」
「もしかすると、自分も“老害”になっていないだろうか」
そんなふうに自分自身を振り返ることは、とても大切なんだと思います。
自分自身もまったく同感です。
仕事の中で周囲から意見をもらうこともありますし、
(時折厳しい足立さんの指摘もありがたい)
家では奥さんから指摘されることもあります。
もちろん、耳の痛い話は誰だって気持ちのいいものではありません。
それでも、自分に何かを言ってくれる人がいるというのは、
実にありがたいことなのだと思います。

逆に怖いのは、経験を積むほど「自分は間違っていない」と思い込んでしまうことです。
自分の常識から外れた出来事が起こると混乱する。
自分と違う意見を受け入れられない、猛反撃する。
なんなら他人のことは激しく指摘するが。
いざ自分がとなると激しく抵抗する、反発する
それは年齢そのものが問題なのではないと思います。
「老害」と呼ばれる状態の本質は、
年を取ることではなく、変化を受け入れられなくなることではないかと思っています。
私自身が社会人になってから、今年40年になりますが
世の中はずっと変化してきました。
しかし今、その変化のスピードと大きさは、これまでとは少し違うように感じます。
AIの登場もそうです。
働き方も変わりました。
人との接し方も、会社に求められるものも変わっています。
単に「若い人の考え方が変わった」とか、「Z世代はこうだ」といった話だけではありません。
社会そのものの価値観が、大きく動き始めているように感じます。
だからこそ、私たちベテラン世代のほうが、むしろ変わらなければならない。
「昔はこうだった」
「自分たちの時代はこうだった」
というものを、ときには捨てながら、新しい時代を生きていく必要があります。

では、そのために何が一番必要なのか。
私は「素直な心」ではないかと思っています。
松下幸之助先生も、生涯を通して「素直な心」の大切さを説かれていました。
素直というのは、何でも人の言うことを聞くという意味ではないと思います。
まず一度、受け入れてみる。
「もしかすると、自分が間違っているかもしれない」
「この人の言っていることにも一理あるかもしれない」
「今までのやり方を変えたほうがいいかもしれない」
そう考えられる柔らかさです。
そして、何か問題が起きたときに、すぐに他人のせいにするのではなく、
「自分にできることはなかっただろうか」と自分の行動について考えてみる。
他責思考は最も悪影響な思考です。
一見すると自分を守っているように見えます。
しかし長い目で見ると、自分の成長する機会を奪ってしまいます。
人から何も言われなくなったときこそ、自分から学ばなければならない。
ベテランになったときこそ、若い人からも、新しい技術からも、新しい価値観からも学ばなければならない。
そして最後まで、素直な心で。
今この歳になって最も大切なこと。
そのベテラン社員の一言を聞きながら、そんなことを改めて考えました。







