外壁や屋根の「見た目」と「実際の面積」は違うんですよ、という話
2025年5月7日(水)

2025年5月7日(水)
こちらの外壁って、パッと見は平らな通常最も多いものになります。
通常の普通のサイディングで、平面です。
タテ×ヨコで面積が出ますし、1m×1mなら1㎡、それで十分だと思います。
でも、ここに落とし穴があるんです。
時々出会うこの凹凸の激しいデザインの外壁。目地の深さは1cmほど。
こういう場合、実際の表面積はかなり増えてるんですよ。
どういうことかと言いますと——
この凹凸、例えばタテ方向に対し高さ1cmの目地が1mの間に20ありました。
ということは、20cm分の長さが増えてるってことになりますよね!
つまり、1mではなく1.2mという計算になるわけです。
因みにヨコ方向には高さ1cmの目地が1mの間に10ありましたので
結果:タテ1.2m×ヨコ1.1mで面積は1.32倍あるということになります。
全体で100㎡だとすると132㎡ということです。
こういった“実際の表面積”を見落とすと、何が起こるか。
平面積だけで材料を発注してしまうと、塗料が足りなくなるんですよ。
結果、どうなるか?足りない分を無理に伸ばして塗ることになる。
ゴシゴシ擦って塗って、なんとか仕上げようとする。
でもこれ、必要な膜厚が確保されないんですよね。
結局、性能を満たしてないんです。
塗料の持つ本来の耐久性を発揮できない。だから、「劣化が早くなる」ってことです。
実はこれ、屋根にも言えることなんです。
例えばカラーベストなんかは平面に近いので、1.0倍で考えてOK。
でも↑折板(せっぱん)屋根みたいにギザギザしているものになると、1.4〜1.6倍になります。
↑波形スレートだと、1.2〜1.3倍の実面積になります。
この違いをちゃんと理解していないと、見積もりの時点からズレてしまうし、材料も工事も適切にできません。
私たちは、こういった細かな点までしっかり計算して、正しい材料量で、丁寧に塗装しています。
いかがでしょうか?
ここまで考えて施工している、という話でした。