代表 三輪雄彦ブログ 不易流行

三輪 雄彦
“建てた会社の点検業者”を名乗る外部業者による高額提案が急増中
2025年12月13日(土)

この1ヶ月で7件。地域の皆さまへ強い注意喚起を〜

ここ1ヶ月で、当社に 7件 の相談が寄せられました。

どれも共通しているのは、“建てた業者から点検業務を委託された”

と名乗る外部業者が突然訪問してくるというもの。

築10年~15年のお宅に同じような訪問 が確認されています。

建てた会社の名前を使われると、お客様はやはり安心してしまいます。

しかし今回のケースは、それだけで判断してはいけない状況でした。

因みに今回の建てた業者は7件すべて同じで、この会社のHPで点検業務を移管する旨が掲載されています。

 


■外部業者が突然訪問 → その場で高額見積り

訪問してきた業者は、建てた会社の依頼で正式に点検に来たというスタンスではあるものの

完全に工事受注のトーク!

時に外壁や屋根を簡単に見て、その場で高額な工事を提案します。

劣化診断も存在しません。

 

提示された金額は 250万~300万円超 がほとんど。

通常、
・外壁塗装
・屋根棟の補修
であれば 140〜180万円前後が相場 です。

その2倍以上の見積りが出てくるのは、どう考えても異常です。

中には

 ・現調すらせず見積書だけ置いていく

・その場で手書き見積りを作る

ということです。

正直、まともな施工ができるとはとても思えない内容 です。


■不安を煽る“保証がなくなる”トーク

相談者が契約を迷うと、
こんな説明をされたという証言も複数ありました。

・「工事契約しないと今後点検が受けられませんよ」

・「工事しないと保証(瑕疵保証)がなくなりますよ」

・「2~3日中に契約頂いた場合はシロアリ工事を無料にします

    または大幅値引きしますと・・・

これは、業界でも問題視される “心理的圧力を使う営業トーク”  です。

もちろん、この言葉そのものが即違法とは言いません。

しかし、

 ・保証制度の内容を曖昧にする

 ・お客様を不安にする

 ・契約を急がせる

という性質を持つため、

実質的には “訪問販売業者の使う常套手法” そのもの!

因みに構造的な瑕疵(かし)保証ってご存じですか?

瑕疵とは、簡単に言うと 普通に使っていれば起きないはずの欠陥

例えば…
・雨漏りする

・基礎に重大なひび割れがある

・構造が弱く、傾く

・屋根・柱など構造部分の不具合

こうしたものは施工ミスや設計ミスが原因で起きることが多いです。

これらについて10年間の保証が義務付けられています。

そしてメンテなナンスである塗装工事やシロアリ工事はそもそも瑕疵保証の範疇ではない!

外壁の経年劣化の補修は、どの会社でも基本 “有償” です。

にもかかわらず、「工事しないと保証が切れる」という言い方をするのは、

誤解を誘導し契約を迫る行為 と言わざるを得ません。

私はこの点に特に強い問題意識を持っています。


■そもそも建てた会社が点検を外部へ丸投げするのは一般的か?

実は、建てた会社が点検を完全に外部へ移管するケースは“ゼロではないが多くはない”

というのが業界の実態です。

外部委託そのものは存在しますが、

・どこまで任せるのか

・どこまで責任を持つのか

・訪問してきた営業業者がどんな説明をするのか

この運用は会社によって大きく異なります。

今回のように外部会社だけが自由に営業し、しかも高額な提案をしている

という形は、明らかにバランスが悪いと感じます。


■価格が2倍近くになる理由:二重構造の中抜き

現場から得た情報では、次のような構造がある可能性があります。

① 建てた会社側

名簿提供の見返りとして、紹介料のような利益が発生している可能性。

② 点検営業の外部会社側

工事費にさらに大きく利益を上乗せ。

この二段階が積み重なることで、120〜150万円の工事が300万円超になる というわけです。

すべての会社がこうだとは言いませんが、7件連続で同様のケースがあった以上、

地域の皆さまに共有する必要があると判断しました。


■私自身の気持ちを正直に言えば…

 ・建てた会社の名前で安心させる

 ・点検とは名ばかりで、いきなり営業だった

 ・保証を盾に不安を煽る

 ・提案内容はデタラメ、素人レベル

 ・金額は相場の2倍

すべてを総合すると、お客様が“騙されたような気持ちになる”のも無理はありません。

 

私はこのやり方を非常に無責任で、誠実さを欠いた手法

だと感じています。

また、この訪問業者の情報は仲間の業者とも共有しており、県内外で同様の報告が複数上がっています。

「工事内容と金額が釣り合っていれば問題ない」という意見もありますが、

今回の内容を見る限り、正直 非常に微妙 だと言わざるを得ません。


■同じような訪問が来たら絶対に守ってほしい3つ

✔ その場で契約しない

焦らせるほど危険。

✔ 複数見積りを取る

1社の話だけで判断しない。

✔ 地元で長く続いている業者に相談する

訪問営業より圧倒的に透明性が高い。


■最後に

今回の発信は、誰かを攻撃するためではありませんが

しかし、この1ヶ月だけで7件の相談が寄せられた という事実は非常に重い。

地域の皆さんに同じ思いをしてほしくないという、その一心で、今回の情報共有を決断しました。

何か少しでも不安な点があれば、相談だけでも構いません。

こちら建築業者も訪問してきた業者も名前、トーク、その他情報があります。

同業と共有もしております。


どうかお気軽にご連絡ください。